南が丘動物通信

2月12日兵庫県開業獣医師会臨床研究会 17年02月13日

舞子ビラ神戸で兵庫県開業獣医師会臨床研究会がありました。午前中は秋吉 秀保 先生(大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科 准教授) 「日常の外科手術に磨きをかける~ちょっとしたコツとピットフォール~腸管の外科手術」亘 敏広 先生(日本大学 生物資源科学部獣医学科 教授「止血異常が見られたら~診断から治療まで~」の講演がありました。亘先生の講演では改めて止血、凝固に関して勉強し、役に立ちました。午後からの症例発表においては、当院からは向井翠「犬・猫の難治性皮膚潰瘍に対するPRP局所注射の効果」吉田圭佑「猫の甲状腺機能亢進症における上皮小体の位置と手術法」を発表いたしました。吉田圭佑の発表は、写真で残っていた猫の甲状腺機能亢進症38個の甲状腺における上皮小体の位置と手術法の検討で優秀演題賞をいただきました。また来年からもよい症例発表ができるよう精進していきたいと思います。S.S

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2月7日 葉月会 麻酔学セミナー 17年02月07日

ハイリスク症例の麻酔管理

佐野 洋樹先生

米国獣医麻酔学専門医 ニュージーランド獣医麻酔学認定医

今回はハイリスク症例の麻酔管理に関しての講演をしていただきました。ハイリスク症例、特に緊急の疾患は予告なくやってくるため、いつでも対応できるような心構えと知識の確認が大切です。今回はそんな症例に対しての麻酔に関して詳しく教えていただきました。ハイリスク症例に対する麻酔薬といっても、その症状によってどのような導入剤が適用されるのかが異なり、また維持麻酔に関してもいかに体に負担がかからないような麻酔を心がけることが大切です。また普段行っている麻酔のモニタリングに関しても、低血圧に関して何が問題となっているのか、また何が必要なの等再確認しました。胃捻転、腹腔内出血、交通事故などの突発的な症例に対する麻酔のほか、重度の僧帽弁閉鎖不全に対する麻酔は、とてもリスクの高いものですが、必要となる場合はどうしても来ます。そんな時にできるだけ安全に麻酔を行い、且つどのような事態にも冷静に対処できるようにこのように知識の確認が大切であるということを再確認しました。

S.A

2月5日 トイ犬種の橈尺骨骨折に挑む!プレート固定法の最前線 17年02月05日

日本獣医麻酔外科学会整形外科委員会主催 第8回獣医整形外科シンポジウム

 近年骨折で最も発生が多いのが小型犬種の前肢の橈尺骨の骨折です。これらの犬の骨はとても小さくて薄く、ソファーから飛び降りたり飼い主さんの腕から落ちるだけの小さなエネルギーで簡単に骨折してしまいます。治療法はギプスからプレート固定まで選択肢があるのですが、近年は新しいロッキングプレート法が臨床現場で応用されはじめました。

 ロッキングプレートはスクリューヘッドがプレートに固定される方法です。曲げの力に強く安定した成績と報告されますが、登場して間もないためにあまり経験に深くありません。今回は手術の方法から、プレート固定法の力学的な解釈、新しい1.1mm1.3mmのプレートスクリューシステム、術後合併症についてのシンポジウムでした。

 T字のプレートを設置する際は橈骨遠位端の内側は斜め、外側はまっすぐになっていることに留意すること、ロッキングプレートでは長いプレートを使用することで骨折端に働く力が分散されることなどが特に印象的でした。

 これからの手術に活かしていこうと思います。

T.S.