人工呼吸をどのように理解するか / たかまち動物病院 黒田一雄先生
周術期の呼吸管理、専門用語の理解、自分なりの解釈、麻酔器モニターを用いての実践力をつけるという分野に分けて講演していただきました。
専門用語がよくわかり人口呼吸の種類・パターンがよくわかりました。
ヒトと違い前もって手術前呼吸機能検査を行うこともできずに人工呼吸を行っているのが現状です。そのために動物用の人工呼吸器とヒト用のものにことなった設計がされているように思われます。今後はどのような人工呼吸方法が症例に相応しいのか勉強をしていきたいと思います。 S.S
下垂体依存性副腎皮質機能亢進症の治療と管理
日本獣医生命科学大学 獣医外科学研究室 教授 原 康先生
今回は副腎皮質機能亢進症に関するセミナーでした。副腎皮質機能亢進症の80~85%が下垂体依存性、15~20%が副腎皮質腫瘍、まれに異所性ACTH産生性内分泌腫瘍があります。下垂体依存性の場合は腺腫であることが多いですが3%は腺癌だそうです。しかし、腺腫であっても腫瘍が大きくなっていくと発作、ふらつき、視覚障害、性格の変化などの脳症状が現れることがあり、その場合予後は悪いです。下垂体性副腎皮質機能亢進症の根治的治療は外科的切除だけです(巨大腺腫では取りきれないことはありますが)。下垂体腫瘍に関して大きさを評価するにはMRIが必須です。今回のセミナーでは下垂体腫瘍の外科的切除の手法などのビデオを見せていただきました。どこでもできる手術ではないですが、手術手技、術後管理を正確に行えばそれほど危険な手術ではないとおっしゃっていました。特に若齢のうちに発症した場合には、再発することもありますが完治を望める外科手術はもっと適応されてよいと思いました。
M.M.
iVEATセンター長兼代表取締役
アメリカ獣医放射線学会認定専門医
宮林 孝仁 先生
今回は腎臓と副腎の描出方法を教えていただきました。腎臓では正確に評価、記録できる三方向からのアプローチの仕方やドップラーの使い方、長所・短所などを教えていただきました。また副腎では体の大きさや痛がる子へのアプローチの仕方などを教えていただきました。
K.Y.
埼玉で開催された上記大会に参加してきました。
循環器学会、画像診断学会の合同シンポジウムでは、「心エコーの可能性を追求する」と銘打ち、現在の小動物臨床における心エコー検査の実際(あるいは限界)の話から、ヒト医療における心エコー検査の実際を講演して頂きました。小動物臨床においては、様々な品種、体格差があるため、基準値の設定が難しく、さらに動物が非協力的であった場合、正確な測定が困難であったり、検査に鎮静が必要となったりと、あらゆる制約を受けざるを得ません。一方、ヒト医療においては、心エコー検査は、心臓内科医、外科医、検査技師などの間の「共通言語」として普及しており、患者の病態を共有し、手術の計画を立てるなどの治療方針を決定していくツールとしては欠かせないものとなっているようです。そういった状況で、ヒト医療では心エコー検査はどんどん進化しており、その中でも3Dエコーは、昨今小動物臨床においても徐々に増えつつある心臓外科手術において、手術計画を立てるのに非常に有用なデバイスであると感じました。まだ小動物臨床にそのまま応用できるわけではないでしょうが、今後の動向に注目していきたいと思います。 T.H.