総合コメンテーター
奥田優教授(山口大学獣医内科学研究室)
板本和仁准教授(山口大学臨床診断学研究室)
平岡博子先生(IDEXX Laboratories)
今年は21題の演題があり、活発な質疑応答のある有意義な検討会になりました。当病院からは「ロムスチンで長期寛解が得られている犬の舌リンパ腫の1例」、「脂肪幹細胞(ADSC)療法を実施した犬の膵炎13例」の2題を発表させていただきました。
懇親会では各病院の先生と交流ができ、いい勉強になりました。
K.Y.
「胆管閉塞をどうする?」
宮崎大学 鳥巣先生
今回は胆管閉塞について学びました。
胆管閉塞は予後の悪いことが多いです。緊急手術が必要でも、手術で死ぬ可能性も高くリスクが大きいです。
今回、鳥巣先生が実際にされているというに経皮経十二指腸逆行性内視鏡的乳頭切除術(PREST)という方法をお話いただきました。十二指腸を切開しそこから内視鏡を挿入し、カテーテルを総胆管に挿入して閉塞を解除するというもので、開腹手術と違い低侵襲な手技で、状態の悪い動物に画期的な方法ですごいと思いました。閉塞が解除され、状態の安定したところで胆嚢摘出を行うとリスクを低く出来ます。
また、胆嚢をエコーで描出する際に右肋間からアプローチすると大動脈、後大静脈、膵臓が一度に描出でき有用であると教えていただきました。
今後の診療に活かせることがたくさんあり、勉強になりました。
M.M.
救急症例のファーストエイド
Veterinary Specialty and Emergency Center Dr.Rebecca Syring
大阪で行われた上記セミナーに参加してきました。ショックの病態、酸塩基平衡異常、急性腹症、呼吸器や循環器のエマージェンシーなど内容を実際の症例を例に挙げながら詳しく講義していただきました。特に酸塩基平衡異常では、血液ガス分析について詳しく解説していただき、当院の血液ガス分析装置のより良い活用に繋がりました。今後の診療に活かしていきたいと思います。
獣医再生医療の進歩状況~世界をリードする日本の技術~
岸上獣医科病院 岸上義弘先生
ヒト医療でも注目を集めている再生医療についてのセミナーでした。岸上先生は日本獣医再生医療学会会長でもあり、その知識と経験はとても深いものです。当院でも脂肪幹細胞療法をはじめ再生医療を実施しておりますが、その概要やメカニズムについて再確認できました。また岸上先生の症例のビデオを拝見しましたが、歩行できなかった犬が幹細胞療法によって歩けるようになった姿には感動いたしました。