軟部組織肉腫 北海道大学 細谷謙次先生
猫のリンパ腫アップデート 東京大学動物医療センター 辻本元先生
脾臓腫瘤 日本小動物がんセンター 小林哲也先生
復興支援を目的としたチャリティーレクチャーに参加しました。獣医師もこのような形で震災復興に貢献できることを知ることができました。
レクチャーは日本を代表する腫瘍学の先生たちによる講義でした。細谷先生による軟部組織肉腫の講義では、ステージ分類とCT撮影の重要性や今話題のメトロノーム療法について知ることができました。東大の辻本先生のリンパ腫では、今と昔のリンパ腫の違いや消化器型リンパ腫のタイプによる比較が特に勉強になりました。小林先生の脾臓腫瘤の講義では血管肉腫の際のDICへの注意が必要なことが印象的でした。今後の診察に活かしていこうと思います。
水晶体疾患Part2 白内障の治療
葉月会獣医医療センター
辻田裕規先生
前回に引き続き水晶体疾患、特に白内障の治療に焦点を当ててご講義いただきました。白内障の治療を開始するには、まず病態を正確に理解し、どのような状態になっているかを判断することが大切です。点眼等による内科的な方法は、進行を遅くしたり、白内障に伴う眼疾患をコントロールするということが主な目的で、点眼によって視力が回復することは残念ながら期待できません。一度失った視力を取り戻すには外科的な治療が必要です。しかし、手術には合併症のリスクもあります。眼が白くなったり、見えにくくなったりして心配して来院される飼い主様に、治療の利点、リスクを適切に説明できるよう努めたいと思いました。
猫の甲状腺機能亢進症
日本臨床獣医学フォーラム主催
竹内 和義 先生 (たけうち動物病院)
猫の甲状腺機能亢進症は、近年増加傾向にある高齢の猫に多い内分泌疾患です。甲状腺ホルモンは熱産生や代謝を調節し、交感神経系作用を亢進させる働きがあるためこの疾患では多食にも関わらず体重が減少したり、頻脈や心雑音が主な症状として認められます。今回のセミナーでは甲状腺機能亢進症の診断と有効な治療法について学びました。当院でもこの疾患をお持ちの方には定期的な血液検査をしていただいていますが、甲状腺ホルモンの値は低く維持すればよいというわけでなく、全身的な一般状態と上手にコントロールしていくことが大切です。また、甲状腺機能亢進症はT4、fT4 といった甲状腺ホルモンの値と血液化学検査等から診断のつきやすい疾患であるので、早期発見・早期治療ができるよう心掛けていきたいと思います。
葉月会 腫瘍学セミナー
「胃と腸管の外科」
酪農学園大学 教授 廉澤 剛先生
今回のセミナーでは胃と腸管の外科的手技について学びました。
胃と腸管の外科的疾病には異物や腫瘍などがあり、その疾病や部位によって選択される手術方法は異なります。また縫合方法についても様々なものがあり、その状況に応じた正しい手技を選択することの重要性を改めて感じました。