南が丘動物通信

4月24日 葉月会セミナー 10年04月25日

マラセチア性皮膚炎と真菌疾患
東京農工大学 農学部  獣医内科学教室 教授
岩崎 利郎 先生

今回はマラセチアやそのほかの真菌による皮膚疾患についての講義でした。
皮膚の疾患も、細菌感染によるものだけではないので、しっかりとした検査が必要になってきます。
また、真菌による皮膚疾患は多くは無いですが、特徴的な症状を示すという場合が多いというイメージがあったのですが、様々な症状を示す症例も紹介してもらい、検査の重要性に気づかされました。
今後の診察に生かしていきたいと思います。

4月15日 葉月会セミナー 10年04月15日

犬の甲状腺機能低下症
アイデックスラボラトリーズ
平田 雅彦先生

今回のセミナーでは犬の甲状腺機能低下症の診断法について詳しく教えていただきました。
犬の甲状腺機能低下症は非常に多い病気です。明日からでも役に立つ情報で、興味深く聞かせていただきました。

4月14日 モノリス主催セミナー 10年04月15日

すっきりとした肝疾患の考え方
宮崎大学 農学部付属動物病院 鳥巣 至道先生

今回は、血液検査の結果から肝疾患についてどのように考え治療していくべきかを講義していただきました。肝酵素上昇が必ずしも肝機能低下を意味しているのではなく、Alb、BUN、T-cho、Glu、NH3、TBAなどの結果から総合して肝機能低下があるかを判断する必要があることを再認識することができました。また、肝機能が低下している状態ではアミノ酸のバランスが崩れている場合が多く、不足している必須アミノ酸を補うことで状態の改善につながることがあることを教えていただきました。

第117回JAHA国際セミナー 10年04月05日

腫瘍学
第117回JAHA国際セミナー
小林哲也先生
日本小動物医療センター付属日本小動物がんセンタ−
アメリカ獣医内科学専門医(腫瘍学)

JAHA国際セミナーの一日目は、まず、癌の初期診断のコツを習いました。年齢や、ヒストリー、犬種、雌雄、避妊手術の有無等の確認の大切さや、診断の精度を高めてくれる腫瘤に対する、生検のそれぞれのコツを習いました。
続いて、癌患者への栄養管理を時間をかけて勉強しました。蛋白質、炭水化物、脂肪のそれぞれの特徴は興味深いものでした。特に炭水化物は、がん細胞が、炭水化物を利用した結果、乳酸が発生し、それを分解するのに宿主側が得られたエネルギー以上のエネルギーを使って解糖するので、よりエネルギーが宿主側から奪われてしまうとのことです。また脂肪も、がん細胞が最も苦手とする栄養素ではありますが、その脂肪酸も種類によっては、逆にがん細胞の成長を促進させる働きがあり、その種類やバランスが重要とされています。
またがん患者は、食べれなくなる事が多いので、栄養カテーテルの活用方法を学びました。鼻食道チューブ、食道チューブ、胃瘻チューブの、それぞれの長所、短所を勉強しました。
化学療法の総論を最後に勉強しました。
抗癌剤には、種類があり、それぞれのクラスやがん細胞の分裂のどの細胞周期に効果があるのかの復習をしました。
また癌を治療するにあたって、完全寛解と治癒の違い、完全寛解とは、理学的検査や臨床症状で病変が認められない事であって、治癒ではないということ、また、部分寛解、維持病変、進行性病変の評価をするのに、病変の大きさの評価が重要になってきますが、その計算方法をならいました。
6時間という、かなり時間の長い講義でしたが、とても、充実した内容でした。