全身麻酔管理の実際
2010年3月26日 葉月会セミナー 今井彩子先生
今回は、私達が、手術をするのに必要な全身麻酔について学びました。全身麻酔の概念は、意識喪失、鎮静、不動化であり、局所麻酔との違いは、意識の喪失です。術前評価は重要で、術前の検査によって得られた情報を基にして、総括的に全身状態を評価します。その中で麻酔のリスクのクラス分けがされます。また術中に私達も行っていますが、麻酔記録をつけることの重要性を教わりました。また、ガス麻酔で、通常は手術を行いますが、その前に静脈内麻酔薬を行うことが多いのですが、その麻酔薬の特徴や注入速度の調整などを学びました。一方吸入麻酔による導入方法は、普段行っている方法と同じなのですが、工夫された方法も教えてもらい興味深いものでした。
院内リハビリ HARC 森 めぐみ先生
今回はリハビリの基礎について教わりました。特別な機器がなくても簡単にできるマッサージの仕方や、飼い主さんがお家で出来るようなリハビリの勧め方などを教えていただきました。
実際に触る力の強さなどもひとりひとりに教えていただけてよかったです。
リハビリといっても短時間で少しずつ出来ることがあったので、これから実際にそういう症例に出逢ったら積極的にしていきたいです。
志学会の症例検討会に参加し、発表も行いました。
様々な珍しい症例の発表をいろいろ聞くことができ、良い勉強になりました。
また、コメンテーターとして参加されていた山口大学の奥田先生によるレプトスピラ感染症に関する講義も受けました。レプトスピラ症は兵庫県は濃厚感染地域であり、さらに新しい型のレプトスピラ症の存在もあるので、ワクチンの推奨が重要だと更に感じました。
開業医が知っておくべき 皮膚診療テクニック
講師:横井慎一先生(泉南動物病院)
今回は、普段の診療で見落としがちな検査方法や治療についてご講義頂きました。
普段あまり黄にとめる事のなかった点について気づかされる事が多く、非常に勉強になりました。
今日からの診療に役立てさせていただきたいと思います。
葉月会セミナー
学ぼう動物リハビリテーション
第2回 椎間板疾患のリハビリ
日本大学 生物資源科学部 獣医学科 総合臨床獣医学研究室
助手 佐野忠士先生
まずリハビリを行う前に、神経疾患の症状が出ている動物に対して、なぜそのような症状が出ているのかのアプローチを学びました。姿勢反応、脊髄反射といった神経学的検査の復習をし、運動失調や麻痺、不全麻痺の違いを整理しました。また、末梢の神経にリハビリは非常に有効で、障害を受けた神経も刺激により再生を誘発出来る可能性が高いということです。中枢性ニューロンは、再生しにくいですが、リハビリテーションの有効性は期待出来ます。
椎間板疾患の症例に対するリハビリテーションの目的は、疼痛、炎症軽減、神経機能の回復促進、関節の硬化、筋萎縮の予防です。
リハビリテーションの方法は、同じ椎間板疾患でも、全く同じ症例はなく、マニュアルは存在しないとの事です。一頭、一頭の症例の病気の把握、治療への反応で決定していくということです。
リハビリテーションは、一日では、目に見えて改善するものではなく、家で行ってもらう分、オーナー様の毎日の継続が必要で、根気が必要となって来ます。
オーナー様が毎日やってみよう!と思えるような、プログラミングと、フォローで、お手伝いできるようになれば、と思いました