初回の発情がなかなか来ない、発情が前回からだいぶあいているといった発情周期の異常の相談を受けることがございます。大型犬では2歳頃でようやく初めての発情が来るケースもございますので2~3歳以上になるまでは異常を断言できないと言えます。また無徴候性の発情もあり、気づいていないだけかもしれません。この場合はオス犬の反応が一番有用だったりします。そのほか原因としては甲状腺機能の低下、グルココルチコイドの投与などがあげられます。グルココルチコイドが発情を抑制する特異的な用量は知られていません。通常投与量が最小限である、中止されていれば発情は改善し得ます。グルココルチコイドは下垂体のACTHの分泌に対して負のフィードバック作用を示しますが、FSH、LHといった発情にかかわるホルモンにも同様の作用を示します。発情周期の乱れが3歳以上で見られた場合は甲状腺ホルモンの測定やACTH刺激試験で反応が鈍くなっていないか検査することを検討します。 K.Y