猫ちゃんは11歳を超えると熟年期とされ、15歳を超えると老年期、ヒトに換算すると約76歳と言われています。
完全室内外が広まり、食事内容もよくなったことから、ヒトと同様に猫ちゃんも高齢化が進んでいるようです。
当院にも、15歳以上の猫ちゃんはかなり多く、中には20歳を超える猫ちゃんも来院されています。
しかし、ヒトにおいても健康体のまま100歳を迎えられる方が少ないように、猫ちゃんもほとんどが高齢になると何らかの病を抱えています。
ところが、猫ちゃんは、体調不良を隠すのがとっても上手な動物です。
もともとゆっくり時間をかけて食事をする子が多いし、若い時から嘔吐する回数も多いし...
何より毎日見ていると痩せたり太ったりしても気付きにくかったりしますよね。
そこで注目していただきたいのが毛並みです。
一目でわかる健康のバロメーターとも言えます。
毛並みはツヤツヤしてきれいでしょうか?ぱっくり開いたりしていませんか?
猫ちゃんは本来とってもきれい好きです。
それは、野生の猫ちゃんがにおいを敵に悟られないよう常にきれいにする習慣が身についているからです。
猫の舌はざらざらしていて、舐められると少し痛いくらいですよね。
その突起がブラシのような役割をして、汚れをきれいにしています。
毛並みが悪くなる原因のひとつに、グルーミングができないことが挙げられます。
例えば、口腔内の異常です。重度の口内炎や、腫瘍によってグルーミングができず、毛並みが悪くなってしまいます。
他には、内科的な疾患を抱えている可能性もあります。
腎臓が悪いと身体は脱水を起こすので、皮膚が乾燥します。乾燥した皮膚から生える毛はゴワゴワし、抜けやすくなります。
また、毛はタンパク質でできているため、栄養不良などでも艶がなくなることがあります。
とにかく、毛並みが悪い場合には、元気そうに見えても何らかの異常を抱えている可能性が高いです。
おかしいな、と感じたらぜひご来院ください。
血液検査、尿検査、聴診など、猫ちゃんに過度な負担のかからない検査だけでもわかることはたくさんあります。
病気を予防するのは簡単ではありませんが、早期発見により命を長らえることは可能です。
大事な猫ちゃんにできる限り長生きしてもらうためにも、年齢に合わせた定期的な健康診断をおすすめします。S.K