南が丘動物通信

5/25 葉月会 中獣医学へのオリエンテーション 21年05月25日

国際中獣医学院日本校 講師 豊永先生

中医学とは整体観、弁証論治、未病先防の3つの特徴を持ちます。整体観は自然界と人や動物の体はバランスをとりながら共存していること。弁証論治は体質、原因、発病の過程から適切な治療を行っていくこと。未病先防は病気にかかりにくい体質を予防的に作っていくことを指します。抗癌剤治療などで体力の消耗が激しく、抵抗力も下がっている状態の時や手術後にリハビリが必要な時のサポートとして使用します。臨床上の意義としては、ツボ(経穴)周囲には結合組織が豊富にあり、この結合組織が電気伝導性を持っています。骨、筋紡錘、腱などは結合組織でつながっており、鍼治療では経穴を刺激することで、周囲の微小血管の特異的な収縮と弛緩によって効果がでるとされています。具体的に全身に見られる反応としては抗体産生が増加、貪食と白血球増多を誘起、解熱作用、抗炎症作用、抗生剤などの治療に加えて鍼治療をすると防御メカニズムが高まることが期待されます。当院では椎間板ヘルニアの手術をおこなった症例に対して電気を用いた鍼治療(電鍼)をおこなっています。電気による刺激を用いることで鍼治療の効果を増強し、持続時間を引き伸ばす効果があります。今後、治療の幅を少しでも広げ、より幅広い医療を提供できればと思います。hari.png

K.G