南が丘動物通信

下顎骨折 21年04月15日

毎年、多くの犬猫が交通事故や高所からの落下による骨折で来院します。

今回は、最近立て続けに発生した下顎骨折についてお話します。

犬や猫の下顎骨折の大半は、先ほど述べたような外傷性の骨折です。

他にも、腫瘍性の骨折や重度の歯科疾患による病的骨折もあります。

下顎は、その構造から、左右の中心で骨がずれることが多いようで、レントゲン検査やCT検査をする前から見た目に左右非対称に見えることがあります。

閉口困難による流涎、食欲不振、出血などの症状が認められます。

治療方法は様々ですが、ワイヤーで骨を固定したり、プレートを設置するような外科的治療が選択されることがほとんどです。

術後しばらくはドライフードといった硬いごはんは食べることができず、柔らかい流動食を食べる必要があり、場合によっては食事用の食道チューブや経鼻カテーテルを設置することもあります。

このように下顎骨折は、命が助かったとしてもおおごとです。

まずは、事故を起こさないよう猫は外に出ないよう徹底し、窓を開け放して飛び降りることがないよう気を付けてください。

犬の場合にはノーリードでの散歩は控えましょう。乗っていた車から飛び降りてしまう事故も多いです。

愛犬を膝に乗せたまま運転したり、座席の窓から顔を出したまま走行していると、道路交通違反に当たる場合もあるそうです。

いざというときに備え、愛犬とのドライブもキャリーに入れるのが安心ですね。 S.K