わんちゃんには歯肉増殖症・歯肉過形成とよばれる病態があります。歯石や歯垢の慢性的な刺激やシクロスポリンなどの薬物が原因となり、コリーやグレートデンなどは遺伝的に好発するといわれています。歯肉縁が肥厚しどんどん腫大していき、歯を覆うほどに成長していきます。この増殖した歯肉そのものは痛み等の症状は起こしませんが、歯垢や歯石がたまるポケットを作るので歯肉炎を増悪させていきます。
歯肉の増殖のなかで歯肉縁ではなく頬や舌の粘膜にしわしわの肉芽腫を増生させるときがあります。これをガムチュアー(頬噛み障害)といい、かみ合わせや歯石の付き方などの問題で咬合するたびにその粘膜を刺激することが原因となっています。わんちゃんが口の中を気にしてくちゃくちゃ噛むようなしぐさをするときは歯だけでなく、この肉芽腫も気を付けてみなければいけません。 ひどい場合には切除してあげた方が良い場合もございます。気になられた方は診察時にご相談ください。K.Y