南が丘動物通信

猫の甲状腺機能亢進症は完治できる病気です。 20年09月01日

猫の甲状腺機能亢進症は治らない病気とあきらめていませんか。当院ではいままでに100個以上の手術を行ってきた経験により、根治療法が期待できる外科療法をお勧めしております。現在では猫の甲状腺機能亢進症で来院される8割以上の症例に手術を行っております。その理由として根治的であり長寿や生活の質の向上が期待できること、生活の質があがること、動物との良い関係を保つことなどがあげられます。日本における根治療法は外科手術のみですが、海外における放射性ヨウ素療法に比べてもメリットがたくさんあります。

飼い主様が不安に感じられるご質問にお答えします。①Q:手術によるリスクは高いものですか?A:当院で手術を行っているほとんどの症例は10歳以上で平均13歳、最高齢猫は26歳です。反回神経障害からくる喉頭麻痺などの医原性障害は1頭もありません。現在のところ永続的な上皮小体機能低下症も1頭もありません。手術が可能かどうかは検査により把握します。②Q:術後甲状腺ホルモンを与える必要はありますか?A:98%以上の症例で甲状腺ホルモンを与える必要はないと言われています。当院では1頭もありません。③Q:腎機能が悪いので手術の対象にならないのでは?A:極端に悪くなければ手術により腎臓寿命も伸ばすことができます。④Q:内科療法を行って甲状腺ホルモン値はいいのですが高血圧がひどく失明のリスクがあると言われています手術は如何でしょう?A:内科療法で血圧降下剤等を使用していても安定しない症例に手術を行うと非常に良い経過が期待できます。内科療法で高血圧がコントロールできずに失明に至った症例でも術後、血圧の薬を内服していない症例もいます。その他、心臓、削瘦、消化器症状など内服療法で甲状腺ホルモンが良い値であるにもかかわらず症状が良くならない症例でも改善が期待できます。どんどん悪化する前にご検討ください。

当院では外科認定医がいままでの経験をふまえ多数の症例を手術しております。獣医専門誌:ConpanionAnimalPracticeに猫の甲状腺機能亢進症の治療~外科手術の適応と手技~を執筆いたしました。いろんな地域よりご来院されています。副作用でお困りの方、セカンドオピニオンをお望みの方ご連絡ください。  写真は20歳のねこちゃんの手術です。

S.S

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