菅野 信之先生
動物循環器病センター センター長
菅野先生の循環器学シリーズセミナー第8回目は急性心不全への対応、というテーマでした。2019年のガイドラインの内容に準拠した内容+菅野先生の実際に行ってきた治療について、お話を聞くことができました。
心原性の肺水腫と診断された後、大筋としてはフロセミドの投与と酸素化を開始していきますが、いろいろな状況に応じた対応、たとえば喀血への対応(サクションを用いるときは、酸素まで吸ってしまい、酸素化の邪魔になるので、すったらすぐ抜く)や、息が荒く興奮してしまっている症例に対する鎮静の有効性など、臨床現場で役立つ具体的な講義をしていただきました。
また、講義中に「○○を使用している先生、手をあげてください」と会場の手が挙がる時間がありますが、他の獣医師の対応が知れることも興味深いものでした。
他にも、2019年のガイドラインで新たに追加された、ベンチレーション管理についても詳しく、レスピレータの設定まで理論的に知ることができました。
肺水腫は緊急の状態、かつ臨床現場で多く出会います。適切な治療・対応ができるように、最新の情報にアップデートできる良い機会でした。
M.K