先日、NHKの番組でなぜ猫ちゃんは魚が好きか? というテーマが取り上げられました。その問いに対する解答は「日本人が魚が好きだから」というものでした。日本人が魚を好きで、猫にも与えていたので、猫が魚を好むイメージが勝手についた、というストーリーです。さらに、イタリアの猫はパスタが好きで、メキシコの猫はトウモロコシが好き、と紹介していました。イタリアの猫をインターネットで検索すると確かに、パスタをおいしそうにすすっている写真がたくさんみられます。
番組で猫の好みは離乳後12週間で決まると紹介されていましたが、確かに猫は小さいときに食べ慣れたものしか食べてくれない偏食性の高い生き物です。小さいときから余ったパスタをよく食べているので、パスタをよく食べるようになるということですね。
当院では、若い猫ちゃんを連れてきてもらった方には必ずお願いしていることがあります。猫ちゃんが小さいうちはドライフードのみでなく、缶詰をときどき与えて頂きたいということですね。
ドライフードは栄養バランスが取れた食事ですが、猫ちゃんによっては、尿石症などに罹り、ウェットフードへの変更をすすめる場合があります。そのときにいままで食べたことのないウェットフードを食べさせるのはなかなか難しいことです。将来どんな病気になるかはわかりません。小さい時からいろんなフードに食べ慣れておくのが一番ですね。
ちなみに、猫ちゃんの味覚に関して、私たちと異なることは他にもあります。甘みを感じることができないことですね。これは甘味受容体の遺伝子に偽遺伝子が含まれており、甘味に対する応答が不可能となっているためだと報告されています。甘いものを食べたがる猫ちゃんは、その食感や含まれている脂肪を好んで食べているのでしょう、と考えられています。
M.K