どういうわけか臨床をしていると同じような症例が続くことがあります。1週間の間に猫の尿管結石の手術が続きました。手術した3頭の猫ちゃんたちは元気に退院してくれました。尿管結石は若い猫にもよく起きます。3~6歳での発症が多いように感じています。症例は残念ながら多くのケースでは発症した時にすでに片側の腎臓は機能不全になっており、反対側の尿管に結石が詰まってしまうとたちまち生命にかかわる状態に陥ってしまいます。結石は体質によるものが多いわけですが、やはりドライフードの影響も多いと考えられています。ウェットフードとドライフードを食べている猫の飲水量を比べたところ飲水量は変わらなかったという報告があります。多発猫種はスコティッシュフォールド、アメリカンショートヘヤー、ロシアンブルーがよくあげられていますがどの種類でもおきます。若齢での発症も多いため若い時期から1年に1回レントゲンを撮っておかれるのもよいでしょう。尿管結石の石の数によって手術方法は変わることがあります。多数の石が腎臓や尿管が認められた場合は再発がおきにくいようにSUBシステム手術が選択されるのが一般的です。猫の尿管の切開のみは狭窄および漏出の確率が高いためほとんど行いません。また、手術をしてそれでおしまいではありません。術後の食事変更が必須です。猫は偏食癖が強いため小さなころよりいろいろな食べ物をたべさせておくことが食事を変え易くする方法としてお勧めされております。
S.S