南が丘動物通信

パターン脱毛症 18年08月12日

パターン脱毛症とは、痒みがなく、脱毛以外の臨床症状を伴わない脱毛症です。出生時には脱毛がみられず、生後半年~1歳頃までに発症します。脱毛の程度はさまざまですが、薄毛から完全に脱毛する症例も存在します。短毛種に多い疾患であるとされており、好発犬種の最たるものはダックスフンドであり、他にはチワワ、イタリアン・グレーハウンド、ミニチュア・ピンシャー、ボストン・テリアといった人気種が並びます。残念ながら、病態については未だ不明な部分が多く、今のところは、毛包が縮小化することによって脱毛が生じる遺伝性の疾患であると考えられています。全身症状を伴わない病気であり、根治的な治療方法は確立されていませんが、発毛を期待する治療法には有効なものもいくつか存在します。大切なのは、クッシング症候群や甲状腺機能低下症といった、多くの犬が罹患するホルモン性の疾患や、膿皮症といった細菌感染による皮膚疾患による脱毛ときちんと鑑別し、適切な治療を行なっていくことです。幼犬に不自然な脱毛がみられた場合、一度診察にいらしてくださいね。S.K