石田卓夫先生の、猫の内分泌に関するセミナーに参加しました。
今回は、猫の副腎皮質機能低下症について詳しく教えていただきました。
副腎皮質機能低下症とは、副腎というホルモンを分泌する臓器の機能が低下し、体の中のホルモンのバランスが崩れることによってさまざまな症状が現れる疾患です。
発生頻度はまれで、年齢に関係なく報告されています。
症状は、元気消失、体重減少、食欲不振、嘔吐、低体温、脱水といった、他の疾患との鑑別が難しいものや、血流量減少性ショックや虚脱といった急性の症状も見られます。
多飲多尿や、尿比重の低下といった症状は、腎不全と共通しているため、鑑別がとても大切になります。
急性の場合は、輸液を中心とした治療法になりますが、内服によって長期的に治療する方法が一般的です。
治療した場合、予後が良好であることが多いようです。
他にも、猫では稀な内分泌疾患について、いくつか紹介していただきました。
発生頻度が多くない疾患についての知識を蓄積していくことで、診察に役立てたいと感じました。
S.K