南が丘動物通信

ラフォラ症 18年07月01日

ラフォラ症は発作を起こす病気の1つとしてあげられる疾患です。この病気は遺伝性の疾患で、犬だと特にミニチュア・ワイアーヘアード・ダックスフントが好発犬種として知られています。常染色体劣性遺伝様式を取り、異常なポリグリコサンと呼ばれる物質が徐々に神経細胞内にたまっていくことによって起こる神経進行性疾患で、平均発症年齢は7歳と遅発性に発症します。光や音など外部の刺激によって、突発的なあごの振戦、しりもち、後退などの驚愕反応に類似した瞬間的な全身の突発性筋収縮(ミオクロニー発作)が認められます。発作以外の神経反応に異常は見られませんが、経過と主に頻度が増えていき、最終的には痴呆、運動失調、強直間代性発作が認められるようになっていきます。

診断にはMRI等が用いられますが、基本的にはほかの疾患を除外した上で遺伝子の変異の解析をすることによって確定診断とします。

治療は発作を抑えてあげることにより症状の緩和を目指しますが、完全に抑制することは難しく、また徐々に進行していくことを止めることはできません。ただし、ラフォラ症の進行自体が緩慢であり、長期間の生存例も多数報告されています。

S.A