猫の先端巨大症は中高齢(8~14歳が好発)でみられる病気で、頭囲の拡大、下顎前突、舌の肥大、内臓の肥大などが主な症状になります。
この病気は下垂体腫瘍により、成長ホルモンが病的に分泌されることによって引き起こされるます。また、成長ホルモンの抗インスリン作用にはインスリン抵抗性があり、そのためにインスリン抵抗性の糖尿病(成長ホルモン誘発性糖尿病)が、先端巨大症になれば必ず発症するといわれています。一般的に診察時に症状として認められるのはこの超尿病に起因する症状のほうが多く、高血糖、高窒素血症を伴わない高リン血症、多飲多尿、多食症、除脂肪体重の増加などが挙げられます。
これは犬に関しても同様に起こりますが、下垂体腫瘍からの成長ホルモンの過剰分泌は珍しく、ほとんどは乳腺腫瘍に由来する異所性成長ホルモン産生から引き起こされます。
先端巨大症は成長ホルモンの過剰によるもののため、血中濃度を測れば確定できそうではありますが、実際には成長ホルモンはパルス状に分泌されているために難しく、成長ホルモンによって分泌され、日中変動の少ないソマトメジンCを測定することによってみます。治療は放射線が一般的ですが、外科的な摘出術や内科的治療も報告されています。
もちろんインスリン抵抗性の糖尿病には以上の原因以外にもクッシング症候群をはじめとして様々な疾患からも起こり得るため、慎重に精査が必要になります。
S.A