南が丘動物通信

犬のリンパ球形質性鼻炎 18年03月11日

犬のくしゃみの原因のほとんどは歯周病からのものと言われています。ではそのほかの原因でくしゃみが止まらない病気はといえば、腫瘍や異物などがあり、その中の1つに犬のリンパ球形質性鼻炎があります。これは非感染性の鼻炎であり、原因としてはアレルゲン物質や免疫介在性の可能性がありますが、実際に明らかな原因を特定することは難しい疾患です。症状としては慢性的な漿液性あるいは膿性の鼻汁が認められ、且つ感染性の疾患ではないため、一般的な抗菌薬や抗炎症薬に反応しない、あるいはコントロール不良となります。また鼻汁40%は片方のみといわれていますが、経過の長い症例では両側性へと移行することもあります。

診断は確定診断をするにあたっては鼻粘膜の組織を取り出して病理検査が必要になりますが、内視鏡での組織の採取は上辺の炎症を起こしている部位のみを取ってしまうことも多く、実際には経過やCTなどの画像診断と合わせて総合的な診断となります。治療としては免疫介在性の慢性の病気であることから、完治。ということは難しい病気のため、ひどいときにステロイドを使う・二次感染が見られたら抗生剤を使うといった対症療法が一般的になります。

S.A