南が丘動物通信

3月5日 葉月会セミナー 18年03月05日

3月5日 葉月会セミナー

「循環器疾患の麻酔 ~Small Animals~」

佐野 洋樹先生(米国獣医麻酔学・疼痛管理専門医)

  全身麻酔は健康な動物に対してであっても絶対に安全とは言い切れません。しかし、よりリスクを背負う循環器疾患を持つ動物でも、全身麻酔を伴う処置を行うべき場面は多々あります。事前に起こりうるリスクを把握した上で、状態に合わせた麻酔管理が必要となってきます。

 たとえば、ヒトでは麻酔中に約3割で低血圧状態が発生し、1分間の低血圧で1年後の死亡率が3.6パーセント上昇するというデータがあります。他、腸管吻合の漏洩についても有意な差があると報告されています。低血圧は、麻酔中だけでなく、その後の合併症に関与する重大な合併症であり、術中の血行動態の把握およびその対応は大変重要になってきます。

 今回のセミナーでは、小動物の様々な事態に対応するための麻酔薬の具体的な用量まで勉強させていただき、今後のリスクを背負った動物に対する麻酔に直接生かすことのできる実践的な内容のセミナーでした。

K.M