これは幽門部の粘膜や筋層の肥厚によって胃の内容物が排泄されなくなる疾病です。筋層が肥厚する良性幽門筋肥大と粘膜が肥厚する胃前庭粘膜過形成に分けられます。前者は先天的で短頭種、シャム猫に多く、後者は中~高齢の小型犬種に多くみられます。
頻回の嘔吐、体重減少がみられますが、そのほかの点において健康なことが多く、原因の特定が難しいことがあります。また程度によって低クロル血症、低カリウム血症、アルカローシス、腎前性高窒素血症が起き、嘔吐が重なれば食道炎、巨大食道などを起こします。
原因は今のところ不明ですがガストリンの過剰産生によって胃の平滑筋や粘膜の過形成が起こっているのではないかという報告があります。
この疾病は外科的矯正で良好な予後を得られる可能性が高いです。
先日猫ちゃんでこのような症例があり、現在術後経過を見ていますが元気になってくれることを期待しています。K.Y