最近西日本の女性が猫に噛まれた後に死亡してしまったニュースがありました。ウイルスに感染した猫から、そのウイルスをうつされてしまったことが原因のようです。しかしそのような事例はまれなために、過度な心配をする必要はないのでご安心ください。
病気は重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という本来は人の病気です。2011年に中国で分離された新しいウイルスで、ダニが人を含む動物を噛むことで感染が成立します。発熱や下痢などの消化器症状、頭痛、筋肉痛、出血、神経症状、血液検査では血球減少症がみられます。致死率は6.3-30%です。有効な治療法はなく、対症療法を行います。
推定されている感染地域は西日本で、2013年以降からは266例の発生が報告されています。ダニの多い5~11月が発症時期のようです。
そもそもはダニから直接人に感染する病気なので、今回報道された猫を介した感染ルートというのは稀なようです。しかし濃厚接触(口移しなど)は感染した動物からウイルスをもらう可能性があるために、厚生労働省から注意喚起がされています。
ダニに噛まれる機会の少ない室内飼育猫では、感染の可能性はほぼないと思われます。しかし外に行く猫や犬ではやはりダニの予防薬が必須ですね。近年では温暖化の影響なのか、こうした節足動物を介した感染症の話を多く聞くようになりました。正しい知識をもって対応していくことが大事だと思います。
ダニの駆虫、予防薬につきましてはどうぞご相談ください。
T.S.