アレルギー性皮膚炎は主に過敏反応が病態に関与し、強い痒みを伴う皮膚症状が特徴です。アレルギー性皮膚炎は犬ではアトピー性皮膚炎、ノミアレルギー性皮膚炎、食物アレルギーや接触性過敏症などがあります。これらのうち、アトピー性皮膚炎は炎症、痒み、皮膚バリア機能の低下による強い慢性皮膚疾患を起こすとされています。痒みは神経系と免疫系との相互反応によって発生し、主にインターロイキンと呼ばれる物質が痒みの原因となっています。現在、炎症や痒みを誘発するサイトカインを阻害するアポキル®錠と呼ばれる薬が脚光を浴びています。この薬はプレドニゾロンと同等の効果があるにも関わらず、プレドニゾロンの欠点である医原性クッシング症候群を生じない点が利点であるとされています。また、消化器症状を発現しにくいとされており、アトピー性皮膚炎の薬として期待されています。
H.F