南が丘動物通信

精巣の感染症 17年04月23日

ワンちゃんの繁殖障害にはたくさん原因がありますが、そのなかで感染症によるものがあります。有名なものにはブルセラ病がありますが、そのほかにもMycoplasmaなどが挙げられます。全身感染を起こしていれば発熱などで気がつくのですが、多くは慢性、局所的な感染で若干の不快感程度のものや症状があきらかに現れないものがほとんどです。精巣に感染症がある場合、精液中に炎症性細胞や形態異常の精子が多く現れたり精子数が減少していたりします。しかし射精精液中に細菌が現れることはほとんどなく、確定診断には穿刺吸引した検体の培養などが挙げられますが、なかなか実施しにくいところです。その場合試験的に抗生剤の投薬を行い、反応を見ています。不妊症からの回復の予後は必ずしもよくないです。不妊が続いた場合は最終的に摘出してあげるのがいいかもしれません。 K.Y