日本獣医麻酔外科学会整形外科委員会主催 第8回獣医整形外科シンポジウム
近年骨折で最も発生が多いのが小型犬種の前肢の橈尺骨の骨折です。これらの犬の骨はとても小さくて薄く、ソファーから飛び降りたり飼い主さんの腕から落ちるだけの小さなエネルギーで簡単に骨折してしまいます。治療法はギプスからプレート固定まで選択肢があるのですが、近年は新しいロッキングプレート法が臨床現場で応用されはじめました。
ロッキングプレートはスクリューヘッドがプレートに固定される方法です。曲げの力に強く安定した成績と報告されますが、登場して間もないためにあまり経験に深くありません。今回は手術の方法から、プレート固定法の力学的な解釈、新しい1.1mm、1.3mmのプレートスクリューシステム、術後合併症についてのシンポジウムでした。
T字のプレートを設置する際は橈骨遠位端の内側は斜め、外側はまっすぐになっていることに留意すること、ロッキングプレートでは長いプレートを使用することで骨折端に働く力が分散されることなどが特に印象的でした。
これからの手術に活かしていこうと思います。
T.S.