南が丘動物通信

犬の糞食行動 16年10月23日
犬の問題行動の中で糞食行動はよくご相談を受けます。 子犬の場合には好奇心が強く、色んな物に興味を示すため自分の排泄した便にも関心が向き便を食べてしまうとされています。 親犬の場合は、子犬の排便を促すためにお尻を舐めたり、外敵に便の臭いで気づかれないようにするための本能的な行動と言われています。 こういった子犬や母犬の本能的な糞食行動は自然に治ることが多いですが成犬で糞食をしている場合には他の原因も考えるべきです。 子犬の頃からずっと続いている場合、子犬の時に置かれていた環境が関係していることがあります。ペットショップなど特に他に興味を示すものが少ない環境にあると成犬になっても糞食が癖になってしまうことがあります。 その他の原因として、不適切な食事量、ビタミンの不足、消化器疾患、ストレス、飼い主の興味を引くためなどが考えられます。 糞食による健康被害は、糞便中には腸内細菌が含まれるためそれを口にすることによって口腔内の菌が過剰になり、歯周病に発展することもあります。 また他の犬の便までも糞食してしまう場合には、寄生虫やウイルスに感染してしまうリスクも考えられます。 糞食に対する対策としては、排便をしたらすぐに片付けるのが最善ですがそれができない場合には他の対策を考える必要があります。 子犬で糞食する場合には、遊ぶ時間を増やしてあげたり、トイレトレーニングなどが有効です。成犬で糞食する場合には上記のような原因に当てはまらないかを考え、思い当たる点があればそれを改善する必要があります。 特に飼い主の興味を引くために糞食する子もいるため、糞食しているのを見かけたら叱りつけるのではなく、無視を続けてください。叱りつけると犬は構ってもらえたと勘違いをして糞食を繰り返すようになってしまいます。 しつけには根気が必要となりますが、一向に糞食が治らないようでしたら一度ご相談いただければと思います。 Y.I