猫の肥大型心筋症 (前篇)
日本獣医生命科学大学 臨床獣医学部門治療学分野1・教授 竹村直行先生
今回は猫の心疾患として最も遭遇する可能性の高い肥大型心筋症、前篇ではその病態生理について講義していただきました。
犬とは心不全の症状の出方が異なることに猫では注目しなければなりません。発咳は猫ではあまり見られませんし、左心不全でも胸水が貯まることを特に覚えておかなければなりません。また猫の心臓病についての重症度の分類がまだあまり明確になっていないのも問題と感じました。また猫では肥大型ではなく拘束型心筋症というものも存在し、その定義が分かりにくかったのですが、左心室の重度の拡張障害、心内膜の肥厚など分かりやすく説明して頂きました。
次回はまた後篇があり、治療法について講義して頂きます。日常的に診察する機会の多い病気であり、重要なポイントを再確認したいと思います。
T.S.