猫の甲状腺機能亢進症は毎年症例は多くなっています。以前と比べCTで前もって、左右どちらが問題のある甲状腺か、摘出すべき甲状腺は頸部にあるのかを評価して行うことができるようになり、手術計画がしやすくなっています。ただ上皮小体の位置は開創しないと評価は困難なものが多くあります。一般的に上皮小体は甲状腺の最も頭側にあるものですが、今回の症例は真ん中を超えて尾側にあり難しい症例で(写真左側頭側)血管をのこしそのまま筋肉内に埋め込みました。下の写真が血管を確保して残した上皮小体です。両側摘出が多いので手術の成功か否かは上皮小体の保存状態に関わっています。甲状腺機能亢進症は日本では放射性ヨード療法ができないため、手術が第1選択になります。内科療法では完治は望めず、長期生存が困難な場合が多いためです。S.S