南が丘動物通信

膀胱の後屈を伴った会陰ヘルニア 16年01月24日

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上の写真は9歳のチワワ(未去勢犬)に発生した会陰ヘルニアの写真です。以前のコラムでも紹介しましたが、会陰ヘルニアは中年齢以後の未去勢雄犬に比較的多く見られる疾病で、骨盤隔膜の筋肉と筋膜が脆弱化し、分離することにより骨盤腔内の脂肪組織や直腸といった臓器が骨盤の尾側外方に移動し、または会陰部直腸の拡張や逸脱、変位が起きている状態です。今回の症例では、下の写真のように、膀胱の後屈を伴っておりました。会陰ヘルニア症例の20%近くで膀胱の後屈が認められたという報告もあり、そのような症例では排尿障害や尿失禁、無尿を起こして全身状態に重大な危機を及ぼす可能性がありますので、去勢手術をされていないワンちゃんの飼い主様でお尻周りの腫脹にお気づきの際はぜひお早めにご相談ください。

H.B.