南が丘動物通信

繁殖をさせる前に気をつけないといけないブルセラ病 15年12月20日

ブルセラ病とは犬ではBrucella canisによる犬の慢性感染症です。一般症状はほとんどなく、流産を繰り返したり、精液性状の異常が生じたりします。一部ではぶどう膜炎や椎間板脊椎炎を起こすこともあります。この感染症は尿、膣分泌物、精液、交尾などで伝播していき、交配するまえには必ず検査しておく必要があります。というのもこの細菌は細胞内に感染するため完治することはほぼ無いといわれており、抗生物質や避妊・去勢手術で菌の排出を抑えることはある程度できても同居の子達に拡がる可能性があるだけでなく、人にも感染する可能性があるためです。こういったことからこの病気が見つかった場合淘汰されることもあります。

つまり大事なことはこの感染症が入ってこないようにしっかり検疫することが重要になります。交配前の検査はもちろんですが、リスクを減らすため自然交配よりも人工授精を行うことが多くなっています。ブリーダーの方だけでなく、ご自宅で子供をふやしたいとお考えの方もこういった感染症の存在を知っていただき、より安全な繁殖が拡がればと思います。K.Y