Dr.Sarah Caney BVSc PhD DSAM(Feline) MRCVS and CEO of Cat Professional Ltd
3日目は甲状腺機能亢進症の診断、甲状腺機能亢進症に対する最適な管理、骨関節炎と高齢猫、便秘と高齢猫 、原発性アルドステロン症についての講義でした。
甲状腺機能亢進症は猫ではとても多い内分泌疾患です。日常的に遭遇することの多い疾患ですが、改めて専門家の考えを聞くことができて整理することができました。高齢猫に多いとされていますが、割と中年齢にも多く、年齢では除外できないために痩せてきた猫では甲状腺は常に考慮せねばなりません。院内で測定する甲状腺ホルモンの解釈や、TSHを併用した診断、また肥満と甲状腺ホルモン値の関係性についても理解を深めることができました。
12歳以上の高齢猫では90%以上がなんらかの骨関節炎を罹患しているそうですが、犬と違い、びっこを明らかには表さないために気づいていない飼い主さんが多いようです。抱っこを嫌がったり、階段を降りさせてみると症状が分かります。人と同じで関節炎は根治は難しいですが、痛みを軽くしてあげるための治療を行ったり猫が暮らしやすい環境整備を行う事で快適に過ごさせてあげることはできます。
猫も高齢化社会になりつつありますので、これからも高齢猫に優しい診察を心がけてまいります。
T.S.