炎症性鼻咽頭ポリープは、中耳、耳管、鼻咽頭の粘膜から生じる猫で最も一般的な外耳道の主流です。ポリープは一般的に単一の主流として存在し、場所や大きさにより嚥下障害や上部呼吸器疾患、あるいは中耳や内耳疾患に起因するホルネル症候群や前庭性徴候が見られる場合がります。慢性中耳炎の症例では中耳から発生したポリープが鼓膜を介して外耳まで達することもあります。
炎症性鼻咽頭ポリープの原因は詳しく解明はされていませんが、慢性炎症、上行性咽頭感染症、先天性疾患や猫のカリシウイルス感染症などとの関連が考えられています。
診断は耳鏡や航空検査で堅い肉質の腫瘤が確認されることにより行われますが、中耳の関連性の見極めにはCT検査等が有用になります。
治療としては単純に切除する場合と腹側鼓室胞骨切り術による方法がありますが、中耳が関与していない場合は前者で十分といわれていますが、関与する場合には術後の合併症の発生率が比較的高くなってしいます。術後の治療に関しては方法に関係なく抗炎症用量のプレドニゾロン投与により再発が軽減されるという報告があります。