南が丘動物通信

犬の皮膚感染症 15年06月07日

 普段の診察で多い病気の一つに、皮膚病があります。犬で、皮膚が赤くなり、痒みが出ているということで来院されることが多いです。 様々な理由で皮膚は、痒くなったり、赤くなったりしますが、原因の一つである感染症には、球菌、マラセチアといわれる酵母菌、ニキビダニ、疥癬、真菌があります。これらの感染症はそれぞれ特徴的な赤みや、脱毛、痂皮などを形成します。同じ感染症でも、全く違うものなので、治療は異なります。 例えば細菌感染の場合は抗生物質を使い、真菌には、もちろん抗真菌薬を使います。他に補助的にシャンプーや、消毒薬塗布を組み合わせていく場合があります。  細菌に対して、抗生物質も、効果がある場合がほとんどですが、中には耐性菌である場合があり、その場合は効果のある抗生物質を調べていかないといけないことがあり、治療が長期になる場合があります。
 細菌や、マラセチア、ニキビダニ症は、環境要因(気温、湿度)や、部位(脇や、股といった部位)、イヌ側に問題がある(感染症を起こしやすい)といった複合的な要因で生じます。特にニキビダニ症は、幼少期や老齢期に多いです。
 皮膚病の多くは、皮膚に限局し、犬が調子を崩すといったことはないのですが、赤みが生じ痒みが出ているとやはり不快症状を示し、掻く、舐めるといったことを繰り返します。
 夜中でも、掻いている、皮膚が赤いなどの症状が出て、不快な症状が出ている場合はぜひご相談下さい。 
       M.N