南が丘動物通信

角膜内皮ジストロフィ 14年12月14日

角膜内皮ジストロフィは突発性の進行性角膜浮腫がみられ、角膜内皮細胞の異常により発生します。好発犬種は、ボストン・テリア、チワワ、ダックスフンドで、発症年齢は5~13歳といわれています。角膜の中央または外側から混濁が発生し、角膜浮腫が顕著になると水疱を形成し、結膜の充血を伴います。角膜の中心から混濁は徐々に進行し、数か月~数年で角膜全域に混濁が拡大します。
角膜内皮細胞は、成長期以降再生しない細胞であるため、完全な治療を行うには、角膜の同種全層移植が必要となりますが、生きた組織を扱うため、移植組織の入手、保存方法などを考えると現状では根治的治療は困難です。そのため、角膜浮腫に対する対症療法として、浮腫を引かせるための輸入塩眼軟膏、角膜潰瘍を形成した場合には、テトラサイクリン眼軟膏やヒアルロン酸点眼液を用います。
H.B.