南が丘動物通信

尿管結石 14年03月30日

ヒトでは非常に痛いと言われている尿路結石による尿路閉塞ですが、動物も同様です。腹部の激しい疼痛が突発し、不安、沈鬱、腹部の緊張、嘔吐などを示します。疼痛の原因は腎臓で形成された結石が尿管に下降し、尿の通行障害を起こすことで集合管や腎被膜が拡張することによります。しかし、疼痛部位の確定は困難でレントゲン撮影や超音波検査を行う必要があります。尿路結石の原因は多岐にわたりますが、何らかの尿路通行障害があること、尿路感染、水分摂取不足、食事、血中カルシウム濃度が高値を示すクッシング症候群などが関与しています。治療法は、閉塞の程度と動物の状態、感染症の有無によって決定しますが、尿路感染症がない場合は外科手術は急がず、4~8週間腎臓にダメージが及ばないようにモニタリングを行います。ただし、腎臓にダメージが認められる場合は直ちに外科手術を行う必要があります。
尿路結石で疼痛を示していた犬は、1か月ほど毎日皮下注射をしていましたが、ようやく結石が流れました。治療中は非常に痛そうで、鎮痛薬もあまり効かないようでしたが、結石が流れてしまうと見違えるように元気になりました。また、昨日は尿管結石の猫が来院し、腎臓へのダメージが認められたので急遽尿管結石摘出術を行いました。                                 M.M.