人と動物の絆を結ぶ 獣医行動学
入交 眞己 先生 日本獣医生命科学大学 講師
アメリカ獣医行動学専門医
2月2日に大阪で開催された獣医行動学に参加してきました。今回のセミナーでは「人と動物の絆を結ぶ」をテーマに問題行動の知識と対処法について学びました。猫の問題行動で多くみられるのが、爪とぎの問題やトイレの失敗。愛護センターの遺棄の理由としてもあげられるそうです。
トイレの失敗には生理学的な問題と、行動学的な問題があげられます。血液検査・尿検査・身体検査上で異常のない場合は、お家のトイレの環境を見直すことが改善に繋がるかもしれません。
このセミナーで学んだことを飼主様にお伝えできればと思いますので、何か気になることがありましたらご相談ください。
K.N.
犬・猫の行動が示す意味から、学習のさせかた、分離不安症と雷恐怖症、猫のトイレの失敗を防ぐい方法、情動障害、犬・猫の攻撃行動について講演していただきました。長時間の講演でしたが、入交先生がユーモアたっぷりに教えて下さったので非常に面白く時間を忘れて聞くことができました。犬・猫の攻撃行動にお困りの飼い主さまのいらっしゃると思いますが、犬の場合たいていは恐怖心から攻撃に出ています。ですので、犬が吠えたり咬んだりする対象が怖くないということをゆっくりと教えていくことで攻撃行動が解消します。猫の場合は遊びからの攻撃が多いので、おもちゃをローテーションさせたり場所を変えたりして猫が普段の遊びに飽きないように工夫してあげると解消する例があります。一方で分離不安症や雷恐怖症、情動障害については、入交先生は抗うつ剤や抗不安剤を積極的に使用されていました。その理由は犬・猫がパニック状態に陥っており、学習する余裕がないからです。薬で不安の落ち着いたところで学習させて、だんだん薬が要らなくなるようにできるそうです。行動を修正するには原因を考えそれを取り除いたり、学習させたりする必要があります。しかし、内部の目では原因が分かりにくかったり、外部の目で冷静に状況から判断して原因がわかる場合もありますので、何か問題がありましたら気軽に獣医師にご相談ください。
M.M.