猫の甲状腺機能亢進症
日本臨床獣医学フォーラム主催
竹内 和義 先生 (たけうち動物病院)
猫の甲状腺機能亢進症は、近年増加傾向にある高齢の猫に多い内分泌疾患です。甲状腺ホルモンは熱産生や代謝を調節し、交感神経系作用を亢進させる働きがあるためこの疾患では多食にも関わらず体重が減少したり、頻脈や心雑音が主な症状として認められます。今回のセミナーでは甲状腺機能亢進症の診断と有効な治療法について学びました。当院でもこの疾患をお持ちの方には定期的な血液検査をしていただいていますが、甲状腺ホルモンの値は低く維持すればよいというわけでなく、全身的な一般状態と上手にコントロールしていくことが大切です。また、甲状腺機能亢進症はT4、fT4 といった甲状腺ホルモンの値と血液化学検査等から診断のつきやすい疾患であるので、早期発見・早期治療ができるよう心掛けていきたいと思います。