人でメタボリックシンドロームという言葉が一般的になり、肥満による身体への悪影響が強く認識されるようになりました。現代では家庭における犬猫も肥満という問題を抱えるケースが非常に多くなり、獣医領域でも重要なテーマとなりました。米国では家庭の犬猫の半数以上が太りすぎといわれており、日本においても約3割が肥満傾向にあるのではないかと言われています。
想像に難くありませんが肥満動物は疾患のリスクが増加します。呼吸器疾患、循環器疾患、糖尿病、膵炎、脂肪肝・・これらはほんの一部ですが、肥満傾向の動物はそうでない動物よりも寿命が短いことは証明されています。また甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症のように、何らかの疾患により肥満になってしまうこともあるため、より注意を要します。
体格の評価にはボディコンディションスコア(BCS)という、肋骨の触れる程度とお腹のくびれを中心とした主観的評価法があります。さらに近年では人と同様、体脂肪が動物でも簡単に測定することができるようになりました。この方法では肥満の程度を客観的に数値化することができ、またダイエットの経過を追うことができるため非常に有用です。
夏になると熱中症が増え、その多くは肥満動物です。大切な家族である動物を守るためにも少しずつ減量していきましょう。当院では体脂肪測定を行っております、また食事療法に必要なダイエット計画表も作成しておりますので、ぜひご相談ください。