南が丘動物通信

紐状異物 13年03月19日

 線状の異物を飲み込むと、小腸は蠕動運動によって異物を遠位に推し進めようとするために、小腸が異物の周りに集まって襞状になります。紐や糸だけでなく、ナイロンストッキングや布もこのような現象を引き起こします。小腸が異物を推し進めようとすればするほど腸壁が傷つき、腹膜炎を起こすこともあります。
 症状としては食べ物や胆汁、粘液を吐くのが一般的であり、重篤な場合は食欲不振や元気消失がみられます。腸が襞状に集まっている場合、腹部の触診で痛みや固まった腸が触れることがあります。このような腸を造影検査するとレントゲン写真においてアコーディオン状陰影といわれる像が確認されます。
 飲み込んでからそれほど時間が経過していない場合は内視鏡で掴んで除去することが可能です。しかし、腸が手繰り寄せられて時間が経っており、一部が壊死しているような重篤な場合は開腹手術によって壊死した部分の腸を切断することが必要となってしまいます。
 このような状態にならないように、おもちゃの選択や、動物が届くところに紐状異物となりうるような物を置かないように注意しましょう。