汎骨炎は骨髄内が海綿骨に侵襲され、骨内膜と骨膜に新生骨を形成する疾患です。大型犬種のオスにおける発生が多く(80%)、2歳未満の若い犬に多発します。
症状は疼痛と慢性の移動性跛行で、患肢の骨を深く強めに触ると非常に痛がります。
レントゲン写真を撮影すると骨髄腔内にX腺不透過の白い部分が斑状または虫食い状に認められ、後期の症例では骨皮質の肥厚へと変化します。ただし、初期には症状だけが認められ、X線検査上の異常があらわれていないこともあります。
治療としては、痛み止めを服用したり、跛行が重度の場合は運動制限をするなどの保存療法がとられます。
汎骨炎は犬の成長期骨関節疾患の中で最も予後が良好であると言われており、自然寛解します。したがって、成長期の間は再発することもありますが、成長期後には完治する病気です。