進行性網膜萎縮は、網膜の変性がおこり、始めは暗いところでの視力の低下、進行して、全盲となる。
遺伝的疾患とされており、報告されている犬種には、アイリッシュセッター、トイプードル、ミニチュアダックスフンド、秋田犬、ラブラドール・レトリーバー、コッカースパニエル、ミニチュアシュナウザー、コリー、ウェルシュコーギー・カーディガンなど多数報告されています。
症状として、初期には夜に外に行くのを嫌がったり、暗い階段を嫌がるなどの行動の変化が認められます。進行してくるにつれ、光が弱いところでの視力の低下に伴い神経質になったり、動きが慎重になったりします。最終的には明るいところでの視覚も消失してしまいます。
検査としては、眼底の網膜血管の狭小化、反射の消失、眼底のタペタム反射の亢進が認められます。また、網膜電位図が初期の診断に役立ちます。
症状の発症時期は犬種によりそれぞれですが、最終的には視覚が消失してしまう病気で、治療法はありません。サプリメントとして、アスタキサンチンが効果があるのではないかとも言われています。
遺伝性とは異なり、炎症性、代謝性、栄養性によって網膜の変性がおきることもあるので、それ以外の原因疾患になりうるものがないかを精査しないといけません。