犬毛包虫症と疥癬の診断と治療
東京農工大学獣医内科学研究室
岩崎利郎先生
今回の皮膚科学セミナーでは疥癬と毛包虫症について学びました。
まずは代表的な外部寄生虫症を診断するための検査方法について教わりました。疥癬と毛包虫症は、この中でスクレーピングという皮膚を削り取る検査で診断することができますが、同じスクレーピングでも、疥癬を疑う場合と毛包虫症を疑う場合では採取したい部分が違うため方法が異なります。
ここで正しく診断できたらイベルメクチンやミルベマイシン、アミトラズで治療していくのですが、その際に注意すべきなのはMDR1遺伝子の異常です。MDR1欠損をもつコリー系の堅守にイベルメクチン等を使用した際に重篤な副作用を起こす原因である遺伝子の変異についても詳しくお話ししていただきました。
今回学んだことを頭に置いて、効果的で安全な治療を行っていきたいと思います。