南が丘動物通信

顔面神経麻痺 11年07月19日

顔面神経麻痺の症状は、損傷の部位と重症度によりかわりますが、顔面の片側もしくは両側が影響を受けることがあります。瞬きがきない、耳・上唇の下垂・口角から涎がたれるなどの運動機能の喪失が認められます。顔面神経刺激による涙腺の分泌低下のため、乾性角結膜炎を発症することがあります。
原因としては、外傷による神経の損傷以外にも、炎症・感染・腫瘍などによる損傷が考えられますが、原因不明なことが多く、犬では75%、猫では25%が特発性顔面神経麻痺と診断されます。
顔面神経麻痺が認められた場合には、基礎疾患の有無を調べていく必要があります。中耳炎・内耳炎・炎症・腫瘤・代謝性疾患があるかどうか確認が必要です。
また、それ以外にも、甲状腺機能低下症によって顔面神経麻痺を起こしてくることがあります。
特発性顔面神経麻痺と診断する前に、きちんとした原因 の精査、それに対する治療が必要です。
顔面神経麻痺は原因は不明なことも多いですので、治療法がないこともあります。麻痺は永続的に続く場合もありますが、2週間~6週間で自然に治癒することもあります。
顔面の神経を刺激する鍼治療が有用な場合もあります。
愛犬・愛猫の顔が左右不対象になって気づくことが多いですので、気になったらから正面から観察してみてください。