南が丘動物通信

犬の口腔内腫瘍 11年05月10日

口腔内腫瘍
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犬の口腔内腫瘍で、一番多い腫瘍はメラノーマで口腔内腫瘍の30%を占めます。次に扁平上皮癌、繊維肉腫と続きます。犬のメラノーマは、平均12歳齢で、多くシーズーに多い傾向にあります。見つけた時には、サイズが大きくなっているか、リンパ節に転移していることがあります。扁平上皮癌は、平均7.5歳で、性差や種差はありません。発見した時にはリンパ節転移まであっても肺転移は稀です。局所浸潤性はあります。犬の繊維肉腫は、平均8歳齢で発症し、大型犬種に多い傾向にあります。局所浸潤性があり、遠隔転移は、扁平上皮癌よりは報告されています。また犬の棘細胞性エナメル上皮種は、平均12歳齢で生じシェルティーに多い傾向にあります。吻側での発生が多く、骨浸潤している場合もあります。
 一方猫では、扁平上皮癌が最も多く、猫の口腔内腫瘍の70%近くで生じます。
 犬、猫の悪性腫瘍の平均生存率は、犬では、542.7日、猫では、202.3日というデータがあります。犬での悪性腫瘍の生存率の比較では、扁平上皮癌が最も短い傾向にあります。
 治療は、まず外科的治療が第一選択で、場所、部位によって完全に切除が困難な場合、放射線治療、抗癌剤を組み合わせる場合があります。また血管新生阻害剤を併用する場合があります。
 口内腫瘍の外科的切除後や、腫瘍そのものが影響して、食事をとれない場合があります。特に猫ではその傾向があります。転移が認められなくても栄養が足りなく、衰弱していきます。その為に、口を通さない栄養補給、食道チューブや胃カテーテルを設置して、食事を与える場合があります。
 口の中は、動物が嫌がって見せてくれない場合が多いです。食べにくい、食欲低下、痛がる、涎や出血がある等ご不安な点がございましたらご相談ください。