南が丘動物通信

猫ひっかき病 10年10月26日

 猫の病気ではなく、猫にひっかかれたり咬まれたりすることで感染する人の病気です。英語でもCat Scratch(ひっかく) Disease(病気)と言います。
 病原体はBartonella henselaeという細菌で、猫には病原性を示しません。猫ではなく、猫に感染するノミがこの細菌を保有しており、ノミ体内で増殖した細菌が猫の爪や歯に付着し、人をひっかく、咬むことで感染が成立します。人から人への感染はありません。
 症状はリンパ節が大きく腫れあがるのが特徴的で、他にもひっかき・咬傷部位の腫脹、軽度発熱、倦怠感などがみられます。健康な人は無治療でも治癒することもありますが、抗生物質の内服が必要な場合もあります。免疫不全の人では重症化しやすく、特に注意が必要です。
 感染を防ぐには、やはり猫のノミ予防が重要となります。ノミ・ダニ予防は動物に虫がつくのを防ぐだけでなく、ノミ・ダニが運んでくる病気を予防するためにも大事なことです。