肛門周囲腺から発生する腫瘍で、最も多いのは良性の腺腫です。この腫瘍は、アンドロゲンと呼ばれる雄性ホルモンに刺激されるため、未去勢の雄犬に多く見られます。雌犬で認められることもありますが、その場合、副腎から、テストステロンという雄性ホルモンが異常分泌されている可能性があります。
良性のものでも、痛み、掻痒感などからこすってしまうことによって潰瘍化することが多く、出血、炎症、感染を伴います。
未去勢の雄犬にできた腺腫は、その腫瘍自体を切除するだけではまた再発してしまうので、根本となるホルモン異常の原因を除去するために去勢を同時に行う事が必要となってきます。
未去勢の雄犬は高齢になるとホルモン異常によって会陰ヘルニアや前立腺肥大が多く見られます。
これらの疾病に対しては、去勢を行うことが予防になってきます。また、去勢手術をしない場合には、定期的なチェックや、よく気をつけてあげることが重要です。