南が丘動物通信

ネコノミの生活環 10年04月06日

 ノミは、哺乳類と鳥類に寄生する無翅類の昆虫で、2200種類以上認められていますが、一般的に犬や猫に非常に多くみられるノミはネコノミです。このノミはヒトや動物に、ノミアレルギー性皮膚炎を起こします。また、バルトネラ属の感染を媒介したり、条虫の中間宿主にもなります。
 ネコノミは、動物の毛に、0.5mmの卵を産みつけ、卵は、その後数時間以内に、地面に落下します。落下場所は、動物の休息場所に多いです。通常1日から6日で孵化して幼虫となり、落屑や、ノミ成虫の糞を食料とします。、幼虫は、カーペットの奥深くや木の葉の下土壌中に活発に動き回り、直接光を嫌がります。幼虫は、ノミの生活環の全段階の中で、環境変化の影響を受けやすく、乾燥は特に、弱く、相対湿度50%以下では致死的です。その後幼虫は、2週間程度で、周囲のゴミを集め、繭を作りさなぎになります。成長の速度は、餌の利用可能性と気候状態によって決まります。通常1、2週間で蛹が、完全に成長しますと、宿主を繭の中で、宿主が現れるのを待ちます。そして宿主の動物の二酸化炭素、断続的な光刺激、熱刺激によって、繭からノミ成虫が現れます。適切な宿主がいないときは、繭から出る前であれば、数週間から、数ヶ月生存が可能でありますが、繭から出て来たネコノミは、血液を摂取するまで、1、2週間しか生存出来ません。動物に寄生したネコノミは、その宿主から、強制的に落とされない限りは、一生その宿主から離れません。宿主に寄生して、すぐに吸血を始めます。、数時間以内に、雄と雌が交尾し、雌は24時間以内に産卵を始めます。また一方で、摂取された血液は、ノミの体内を急速に通過し、部分的に消化された状態で数分で便として排泄され、幼虫の重要な食料になります。ネコノミは通常1、2ヶ月で一生を終えます。
暖かい季節になり、ノミやダニが付きやすい季節となりました。 しっかりとした予防をぜひ、お勧めいたします。