南が丘動物通信

ステロイド皮膚症 10年01月26日

 コルチコステロイドとは副腎皮質から分泌されるホルモン群で、中でも糖質コルチコイドには抗炎症作用、免疫抑制作用があることから、急性および慢性炎症、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、ショック、腫瘍などの様々な疾患に対して使用するために化学的に合成されて使用されています。
 ステロイド皮膚症とは、このコルチコステロイド(特に糖質コルチコイド)を含む外用剤を不適切に長期間にわたって塗布することによって引き起こされる皮膚疾患です。特徴的な皮膚症状としては、皮膚が薄くなって透き通って見えるようになり、脆くなっているため弱い力で簡単に皮膚が裂けて出血するようになります。またステロイドの持つ免疫抑制作用によって、繰り返し細菌や真菌などの感染が起こり、膿疱形成が繰り返されたりもします。
 治療はコルチコステロイドを含む外用剤の使用を中止することによって行われます。
 コルチコステロイドを含む外用剤は、痒みがあったり、できものができた場合などに使用することによって一時的に改善がみられるため、安易に使用されることが少なくありませんが、使用に際しては獣医師の指示に従って適切に使用するようお願い致します。