南が丘動物通信

犬のマラセチア性皮膚炎 10年01月19日

マラセチアは、人や動物の皮膚に常在する酵母様真菌であります。何種類か菌種がありますが、一菌種を除いて脂質要求性という特徴があります。マラセチア性皮膚炎は、皮膚表面で異常増殖することで皮膚炎を引き起こしさらに皮膚疾患を悪化させると考えられています。通常皮膚は、マラセチアが異常増殖しないように防御機構が、働いていますが、皮膚環境の変化や基礎疾患において、免疫機構が破綻しますとマラセチアが異常増殖し、角層から中に侵入しその結果、皮膚に炎症が起こります。その炎症が痒みや、赤みの原因になります。マラセチア性皮膚炎の治療は、局所療法と全身療法があります。局所療法は、軽度で、症状が軽い場合にその部位の外用真菌剤が使用されます。また、シャンプーは、表皮のコンディションを整える為に非常に有用です。全身的なマラセチア性皮膚炎の場合は、全身的な治療が必要なため、シャンプー療法とともに、抗真菌剤の内服が有用です。